貨物運送事業を営む際には、当然のこととして関係法令の遵守が求められます。そのため、運送業許可を申請する者はトラック運送の遂行に必要な法令の知識を持っていることが必要になります。
それが、「法令試験に合格する」ということになっているのです。詳しく見ていきましょう。
法人の場合は常勤役員のうちの一人が、個人の場合は個人事業主本人が受験します。
運行管理者資格をもっていたとしても、運行管理者試験とは別物ですので、改めて受験しなければなりませんので、ご注意下さい。
試験日は奇数月に行われます。申請書の提出が奇数月の場合は、翌々月の奇数月に、偶数月に提出の場合は、翌月が試験日となります。四国運輸局では奇数月の最終水曜または最終木曜に実施されることが多いです。
例えば、2月提出の場合3月試験、3月提出の場合5月試験となります。
以下の法令から出題されますが、特に★印が重要です。
★貨物自動車運送事業法
★貨物自動車運送事業法施行規則: 申請に関すること
★貨物自動車運送事業輸送安全規則: 点呼や運転日報、運行管理者等について
★貨物自動車運送事業報告規則: 事業実績報告などの提出期限など
・自動車事故報告規則: 事故報告など
・道路運送法: 運送事業の定義など
・道路運送車両法: 整備管理者、点検など
・道路交通法: 積載方法など
・労働基準法: 労働条件、雇用など
・自動車運転者の労働時間等の改善のための基準: ドライバーの運転、拘束時間など
・労働安全衛生法: 職場環境など
・私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
・下請代金支払遅延等防止法
試験時間は50分で、問題は全部で30問あり、24問以上の正解で合格となります。
四国運輸局の試験は〇×形式が20問余りあり、残りは3択式や語群選択式です。
法令試験は一度失敗しても、翌々月の1回だけ再受験が可能です。
法人の場合、2回目の試験は別の役員の方でも構いません。2回目も合格できなかった場合は申請の取下げになり、再度申請することになりますので、2回以内で合格するようしっかりとした準備が必要になります。
試験当日は、関係法令等の条文集が配布されますので、その中に正解はあるでしょう。しかし、条文集は300ページを超えるボリュームがあり、そこから該当箇所を探し出すのはたいへんです。
ですから、試験対策としては、過去問を何度も解くことで、どのように出題されるのかを把握し、覚えこむことが合格の秘訣と言えるでしょう。過去問と正答は、各運輸局のHPに掲載されています。ただし、問題や正解に関する解説はありません。
運行管理者試験と法令試験は出題範囲がほとんど同じため、運行管理者資格をお持ちでない方は、これを機に運行管理者試験で資格を取得するのも一考です。法令試験の難易度としては、運行管理者試験より易しいというのが私の印象です。
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