貨物利用運送事業

利用運送とは

運送業関連で「利用運送」という場合、自社の車両やドライバーではなく、他社の車両やドライバーに運送を依頼する形態のことを言います。

 

これには2つあって、@ 一般貨物運送業許可(いわゆる「運送業許可」)を持っている場合(これから許可申請する場合も含む)とA 運送業許可を持っていない場合があります。

 

@「一般貨物運送業許可」を持っている場合

自社が運送の仕事を受注したけれどキャパオーバーなどの事情で他の運送業許可を持っている事業者にその仕事を委託するケースなどです。

 

A「一般貨物運送業許可」を持っていない場合

自社では直接運送せず(つまり車両を持たず)、他社である自動車・船舶・航空・鉄道の実運送事業者に委託して荷主の荷物を運送してもらうケースです。この事業をする場合は、「貨物利用運送事業」の登録または許可が必要になります。

 

荷主と実際の運送事業者の間に入る物流コーディネーターのイメージで、「水屋」とも「傭車」とも呼ばれます。
貨物利用運送事業者は、荷主の荷物について運送責任を負って有償で引き受けます。

 

Aのケースである「貨物利用運送事業」は、運送業許可(「貨物自動車運送事業法」の規定)とは別の「貨物利用運送事業法」という法律で規定されています。

 

「一般貨物運送業許可」と「利用運送」の関係

一般貨物運送業許可を新規申請する時点で利用運送を予定している場合、その時点で利用運送を「あり」にしておきます。ただし、申請時点で相手先の利用運送に関する契約書を添付する必要があるので、契約が完了している必要があります。

 

利用運送を「しない」で許可取得済みの場合で利用運送を開始したい場合は、利用運送を「しない」から「する」に変更した認可申請をすることになります。その際、委託先の事業者の情報と契約書を添付する必要があるため、申請前に契約を取り交わさなければなりません。

 

申請してから「認可」となるまでに4か月程度かかりますのでご注意ください。

 

「一般貨物運送業許可」事業者が利用運送をする場合、上記のような手続きとなります。別途「第一種貨物利用運送事業」の登録をする必要はありませんから、新たな登録免許税も不要です。

貨物利用運送事業の種類

貨物利用運送業は2つの種類があります。

第一種貨物利用運送事業

自動車、船舶、航空、鉄道の運送形態のうち、いずれか一つだけを利用するのが「第一種貨物利用運送事業」です。事業を開始するには「登録」することが必要です。

 

第二種貨物利用運送事業

例えば長距離輸送で、集荷先・配達先と港・空港・貨物駅までの輸送はトラックを使い、長距離の幹線輸送部分は船舶、航空または鉄道を使うなど、2種類以上の運送形態を組み合わせて利用する事業のことをいいます。

 

長距離輸送でもすべて自動車を使う場合は、異なる運送事業者を利用しても「第一種」となります。第二種の事業を開始するには、第一種よりも難易度の高い「許可」が必要です。

第一種貨物利用運送事業を始めるには

ここでは自動車を利用する第一種貨物利用運送事業について見ていきましょう。

 

営業所・保管施設の要件

営業所の設置はもちろん必要ですが、保管施設の設置は任意です。

使用権原があること
都市計画法や農地法等関係法令の規定に抵触しないこと
保管施設は、規模、構造及び設備が適切なものであること

 

財産的基礎

純資産300万円以上を所有していること

※直近の貸借対照表で【純資産=資産−負債≧300万円】を判断します。
※法人の場合、資本金を300万円以上にするとスムーズです。

 

申請者要件

次の欠格要件に該当しないことが必要です

●1年以上の懲役または禁錮の刑に処せられ、その執行が終わった日から2年経過しない者
●第一種・第二種貨物利用運送事業の登録・許可の取消しを受け、その日から2年経過しない者
●申請前2年以内に貨物利用運送事業に関し不正な行為をした者
●法人であってその役員などが上記3要件のいずれかに該当する者

必要書類

個人・法人共通

●申請書
●運送委託契約書の写し (4,000円の収入印紙が貼付されたもの)
●宣誓書
●保管施設がある場合は図面

 

個人の場合

●財産に関する調書
●戸籍抄本原本
●履歴書

既存法人の場合

●定款又は寄付行為の写し
●履歴事項全部証明書
●最近の事業年度における貸借対照表
●役員又は社員の名簿及び履歴書

 

法人を設立しようとする場合

●定款又は寄付行為の謄本
●発起人、社員又は設立者の名簿及び履歴書
●株式会社設立の場合、株式の引受けの状況及び見込みを記載した書類

申請から登録までの流れ

申請書、添付書類を運輸支局へ提出

審査期間 2-3か月です

登録後、運輸支局で「登録証」の受取り
登録免許税9万円の納付
運賃料金設定届出書の提出
営業開始

運送業許可と異なり、開始届は不要です

登録後にすべきこと

約款等の掲示

次の事項を主たる事務所その他の営業所に見やすいように掲示しなければなりません。
●第一種貨物利用運送事業者である旨
●利用運送機関の種類
●運賃及び料金(業者間取引などでなはく、消費者を対象とする場合)
●利用運送約款
●利用運送区域又は区間
●業務の範囲

 

事業報告書等の提出

毎年、次の2つの書類を期限内に各県の運輸支局に提出します。
●事業報告書
 毎事業年度経過後100日以内
●実績報告書
 前年4月1日から3月31日までの1年間の事業実績を7月10日まで

 

各種変更、廃止等の手続き

次の事項に変更がある場合、各県の運輸支局に変更届等を提出します。
●事業者の住所、氏名又は名称、代表者等の氏名
●主たる事務所や営業所の名称及び位置
●保管施設の概要
●利用する実運送事業者又は利用運送事業者の概要
●事業の廃止

内 容

報酬額(消費税別)

備 考

第一種利用運送業登録申請(貨物自動車) 120,000円 ※登録免許税9万円別途

※上記は基本報酬額です。ご相談後、お見積りを提示し、ご納得のうえでの受任となります。
※一般貨物運送業許可事業者が利用運送をする場合の料金はこちら

 

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